NF型回路によるトーンコントローラーです。

 トーンコントローラーは多くのオーディオマニアは嫌う傾向にあります。理由は安物のイメージがあるからです。確かに何もコントロールを必要としない優秀なシステムであれば不要だと思います。しかし、そのようなシステムはほんの極僅かでしかありません。実際には多くのシステムはトーンコントロールを必要としているシステムです。

 例えば16~20cmの一発システムは非常に素直な音を発しますので好感が持てます。しかし、やはり小型スピーカーの致命傷はあります。それは再生帯域が狭い事です。更にコーン紙が軽い分オーバーシュートが少ない為に淋しい音となってしまいます。そこでトーンコントローラーで低音を少々上げてやる事によりふくよかで豊かな音を演出する事が出来ます。

 更に人の耳の特性として小音量で聞く場合に低音と高音は聞こえ辛くなる特性があります。そのような時に威力を発揮するのがトーンコントローラーです。

 トーンコントローラーの使用意味はそればかりではありません。それはソフトの音質の問題です。ソフトは優秀な録音の物もあればそれ程では無い物もあります。例えば中高域がモヤモヤした録音のソフトは相当にあります。そのようなソフトは例えどんなに優秀なシステムでも良くは鳴ってくれません。逆にシステムが優秀であればある程ソフトの問題点を顕著に表現してしまいます。

 そのような音質のソフトの場合は高域を少々上げてやる事により非常に聞き易い音に改善されます。そのような意味でトーンコントローラーは決して安物のシステムの音質改善の為ばかりではありません。ソフトの音質改善に是非ともお使い頂きたい機器である訳です。

 本機は低域に関しては充分な特性にしてあります。しかし、高域に関しては実際にはそれ程極端な特性は不要ですので抑え気味にしてあります。

 ON-OFF スイッチは当然装備してあります。その入り切りに関しては OFF に倒しますと内部の回路とは完全に切り離す回路構成になっております。よって OFF にしますと電子回路は通過しませんので安心してお使いになれます。しかし、その前に低域・高域のツマミを中央にして ON-OFFスイッチ を入り切りしてみて下さい。音の劣化は全く感じる事は出来ません。

 以前のトーンコントローラーは確かに入り切りすると音質の違いが発生してしまいました。原因はトーンコントローラー回路の出力インピーダンスにあるのです。真空管式の場合は出力インピーダンスは低く出来ません。真空管の致命傷です。しかし、リニアーICの場合の出力インピーダンスは非常に低く負荷として400オームまで対応します。よって、音質の劣化はまず考えられません。安心してお使いになれます。

 尚、本機の電源は3Pコネクター式になっておりますが電源ケーブルは付属させておりませんのでご用意願います。更に、ヒューズは内蔵式です。

 更に詳しくは下記へアクセス願います。

http://www.mejogran.com/newpage606.htm