写真のレコードプレーヤーは実際には安物の組み合わせなんです。ターンテーブルはヤフオクでなんと5.000円です。アームは昔々のグレースの物ですので希少価値もありまして三万円で入手しました。カートリッジは過去何回も申し上げておりますがDJ用で何と3.500円です。で、音は ?

 全く問題ありません。それよりも妙に神経質なカートリッジよらりもよっぽど使い易いカートリッジではありますし、更に元々安物ですので気軽に何でも出来ます。これぞ趣味であったり道楽でもあるのだと思います。

 今回は本来は試作プリアンプの音質報告の筈でした。しかし、私の悪いクセで大変な道草の話題になってしまったようです。何せ私は未だに私の本来の姿は営業マンだと思っている本人なんです。何でこんな仕事をやっているのでしょうね? 人の一生って、解りませんね。

 そこで次回は ? と、申し上げたいのですが私は飾り立てた文章は書けません。そんなにきようではありません。次回はどうしましょ ?
 現在ダイアトーンで鶴田浩二を聞いております。何故か今まで作った色々な回路方式のプリアンプよりも生々しく聞こえます。ひょっとして16cm一発のシステムに似合ったプリアンプなのかも知れません。要するに余り良い表現ではありませんが 「四畳半アンプ」 なのかも知れません。

 あの人は決して歌の上手い人ではなかったと思います。しかし、彼独特の雰囲気を持った特異な人だったと思います。例えば当時のヒット曲の 「サンドイッチマン」 です。現在あの曲が似合う人は見当たりません。そのような一種独特な雰囲気を持ち合わせた人だったと思います。しかし、この一枚は余り大きな音では聞けないのです。何せ途中で軍歌に変わってしまうのです。これを聞かれますと右翼と間違えられますからね。

 最後にレコードで森茂久弥を聞きます。スピーカーはダイアトーンです。やはりこのような帯域の狭い曲はダイアトーンが合っているように聞こえます。何も大金払って、更にオーディオショップを喜ばして高価なシステムなど無用の物と思えて来ます。更に、これは正しい事なのですよ。
 これは右に示した30cmフルレンジのマグナッボックスと改造したダイアトーンで聞きます。

 さすがに古い録音である事がありありと判ります。まるでバンゲルダーやウィルキンソン録音のような中音の塊のような音です。しかし、私は基本的には音楽マニアです。このような曲を聞きますと音などどうでも良くなってしまいます。音楽にのめり込んでしまいます。更に当時の我が家の生活を思い出します。

 当時は決して貧しい生活では無くなっておりました。ほとんど全ての家庭にテレビは入っておりました。その前の年代と申しますと先日亡くなられた平尾昌明の時代です。ロカビリーです。その当時は貧しい生活を強いられておりました。何せ私のオヤジらが七人で起業して間もない頃でした。我が家も知り合いの畑にわざと捨てられた野菜が毎日食卓を飾った(?)時代です。しかし、私も子供であった事もありますが淋しさは全く感じませんでしたね。それよりもある意味で殺伐とした現在の方が淋しさを感じますね。人は余り裕福になってはいけないのかも知れませんね。
 さて、この一枚は録音レベルは低いとは言ってもそれ程低くはありません。しかし、ダイナミックレンジは充分なのです。恐らくCDの上限ギリギリの録音レベルで作った物であろうと推測出来るのです。やはりこのような録音が出来るのであればやって然るべきなのではと思わせてくれるのです。

 私はお陰様でオーケストラはアマチュアオーケストラなのではありますが定期的に聞く機会を持ち合わせております。中には聞いた事も無い演目の事もあります。しかし、私の目的は生オーケストラの生々しい素晴らしいダイナミックレンジを楽しみに毎回行っているのです。

 ここでダイナミックレンジについて少々。オーディオマニアは何故かダイナミックレンジについて多くを語りません。恐らく生音を聞いていないのと、もう一つの原因はダイナミックレンジの意味を解っていないのだと思います。ダイナミックレンジとは日本語では抑揚感と表現します。要するにピアニシモとフォルテシモの演奏の違いと申し上げておきましょう。生演奏では恐らく数値に置き換えますと100dB以上に達するのではないかと思います。それをCDのフォーマットである76dBに収めてしまうのです。

 ここで改めて申し上げますが6dBを実数で表現しますと二倍です。しかし、これは電圧・電流に関してであり電力に関しては四倍になります。スピーカーは電力で動作しています。するとデシベルのデシは本来の意味の1/10です。この事よりCDは余りにも無理があると云う事が理解されると思います。それを実行してしまっているがコンプレッサーなのです。やはりコンプレッサーは諸悪の根源なのだと思います。

 少々道草が過ぎました。次は何故かザ・ピーナッツです。久々に続けて聞き込みますと懐かしいものを聞きたくなりました。

 ザ・ピーナッツも残念ながらお二人とも天に召されました。我々の年代は淋しさを感じますね。
 さて、今回久々に聞いたカルメン序曲です。決して海賊盤では無いのですが詳しい事は何も説明が気がありません。イーゴリ・マルケヴィッチ指揮コンセール・ラムルー管弦楽団とだけ明記されております。

 しかし、この一枚は素晴らしいのです。少々難しい事を申し上げます。録音は恐らくフィリップス録音に近い方法だと思います。必要な楽器の音が強調されております。しかし、録音レベルはいくらかではありますが低いのです。ここが非常に、更にとっても、更に重大で大切な事なのです。私は更にこの事は強調したいのですが残念ながら文章力が欠落しておりまして言いたい事が表現出来ません。ご容赦願います。

 私の言いたい事はほとんど全てのCDもレコードも録音レベルを上げるが為にダイナミックレンジを犠牲にしていると云う事なのです。その為にほとんど全ての録音は去勢された家畜のような音に収まってしまっていると云う事なのです。

 その犯人は勿論人ではありますが、その犯人を作り出したのも人です。トラックダウン時に多用するコンプレッサーです。コンプレッサーと言っても何もCDにモーターが入っている訳ではありません。コンプレッサーとは電気的にピークを抑えてしまう機器の事です。私に言わせれば諸悪の根源的装置だと思っております。

 去勢された家畜は勢いが無く飼い易い生き物になってしまいます。要するに野生の勢いを押し殺されてしまっているのです。確かに家畜としては飼い易い良いかも知れません。しかし、私は野生の勢いも残して欲しいものだと常々思っております。

 
 これはプリとは無関係の話しですが昔の録音でも決して悪い音ではありませんね。ただ、やはり昔の録音機器の音だと思います。とは申せ1940~1960年代の中音の塊のような音ではありません。中にはハッっとする音が入っている物もあります。さて、このプリの音質です。

 何故かとっても良く聞こえます。奥域感も充分です。しかし、残念ながらマリリン・モンローの 「帰らざる河」 の声は何故か別人の声に聞こえます。やはりマリリン・モンローはSP盤で聞くべきものだと思います。恐らくCD化する時に必要以上に加工しまくっているのだと思います。私が約一年間SP盤再生に凝りに凝ったのは決して無駄ではなかったのだと思い起こす一曲でした。

 次はカルメン序曲。好きなんです。あの激しさが好きなんです。私の所有しているCDは三省堂の店頭でワゴンセールで買った物で、オーケストラは聞いた事も無い名前のオーケストラです。しかし、ダイナミックな演奏で素晴らしい一枚なんです。さて、音は ?

 オーケストラなんかでは音なんか判りません。しかし、例えばデッカ録音ですと判るかも知れません。何せデッカは完璧なマルチ録音です。各楽器が放つ音を全て別々に拾いますのでね。しかし、聞く側ではそのように楽器が放つ音は聞いた事が無い人がほとんどだと思います。そんな事もありまして私も以前はデッカの録音の音は好んだ時もありました。しかし、実際にはあり得ない音作りですので最近は聞きません。

 それに相反してグラモフォン録音は天井付近に吊り下げたたった二本のマイクでの録音です。要するにホールの響きを重視した音作りの録音です。それはそれで良いのだと思います。その中庸を行くのがフィリップス録音だと思います。私としてはフィリップス録音が聞き易く良さを感じますので正解とは申しませんが良さを感じさせてくれていると思います。 
 ここからはメインの5チャンネルシステムでの試聴です。先ずはヤマモトピアノが出しているピアノマンです。このはベーゼンドルファー・スタインウェイ・ファッツィオリの三種を弾くき分けているCDです。ゆったりとした大人のメロディーを奏でてくれます。このようなソフトは勿論メインシステムで聞きます。雄大な音で鳴ってくれています。この一曲目は恐らくスタインウェイだと思える音です。これがベーゼンドルファーですと低音のキーがゴーンと鳴り響く音の聞こえます。それを聞き分けながら聞くのも楽しいソフトなんです。

 さて、次は何と昔々の西部劇のサウンドトラックです。今の人は何故サウンドトラックと言うのか ? 解らないでしょうね。これは映画フィルムの横に音を入れたトラックがあり、それを光電管で音として取り出し音を流したのです。映画が全てデジタル化されたらサウンドトラックとは言えなくなりますね。どうするのでしょうね。

 さてさて、西部劇です。全て私がまだまだ可愛かった時代の物ばかりです。音楽として全て知ってはいますが映画は見た事がありません。何せ私は映画は時間の無駄だと思っている人ですのでね。

 古い古い録音ですが決して劣悪な音などではありませんでした。ありませんでしたと言うのは何せ何年も聞いた事がありませんでした。このCDの存在さえも忘れておりました。

 
 彼の声は喉仏の響きは余り感じられませんので音質チェックにはそれ程向いているとは思えません。しかし、彼の甘い声は魅力的です。それはやはり中音のLE-8Tの優秀さがそれを見事に映し出します。要するに本機は良い物は良いでそのままパワーアンプに送り出しているようです。

 さてさて、次は私の好きなナナ・ムスクーリです。彼女の声は決して広帯域な声ではありません。そもそも女性の声は喉仏が響く声の人は非常に限られていると思います。ナナ・ムスクーリを聞いた目的は彼女の滑らかな声をどの程度再現するか ? なんです。予想通りの滑らかさで彼女の良さを充分に味合わせてくれます。素晴らしいです。

 さてさて、次は何と美空ひばりです。私は決してひばりさんを好きではありません。何せ憎たらしい程に歌が上手過ぎます。昔、淡谷のり子さんが 「私、あの人、大嫌い !」 と言った事がありました。何せひばりさんは八百屋だか魚屋だかの娘で、音楽学校など出ていません。片や東京音大卒です。それも声楽科です。にも関わらずひばりさんは人気抜群です。嫌いで当たり前ですよね。しかし、そこには人柄が物を言うのだと思います。世を渡るのに何も自ら敵を作る必要はありません。最近も自ら敵を作って最終的には自ら相撲界を去った人がおりました。残念ですね。何せ最初が悪いのです。事件のその時に 「お前もつまらねー事をやるんじゃねーよ」 で済ませてしまえば全ては丸く収まったのだと思います。やはり最初が大事ですね。

 次は加藤登紀子さんです。彼女は女性としては珍しく喉仏の響きを感じさせてくれる声です。更に雰囲気抜群の歌声です。しかし、残念なのが彼女の録音は良くない物ばかりなんです。当然このプリで聞くと決して良くは聞こえません。要するに録音の音に忠実と云う事なのでしょうね。
 音の表現としては可も無く不可も無くと言った音です。悪く言えば特徴の無い音です。とは申せ艶っぽい音ではあります。

 私は音の判断に男性ボーカルを多様します。男性ボーカルは音域が広いからです。特に昔々の人ではありますがビング・クロスビーの声は確認には打って付けの人です。何せ喉仏の響きが抜群なのです。

 ビング・クロスビーは古い人ではあり、当然録音も決して優秀録音ではありません。しかし、音質チェックには最高のアイテムなのです。とは申せ彼はSP時代からの人ですので、その時代の録音の物は避ける事をお勧めします。音質チェックにはなりませんからね。

 このプリは彼の喉仏の響きを見事に再現してくれました。素晴らしいです。次に聞いたのは何とフランク・永井。私のソフトはLPからダイレクトコピーしたものですので決して優秀な音質ではありません。
←本機
2018/10/8
 いよいよ音の確認です。試聴は3チャンネルサブシステムです。このシステムは決して素晴らしい音とは申しません。しかし、実に標準的な音なんです。再生帯域は充分です。基本的な音質としては可も無く不可も無くと言った音質です。やはり中音のLE-8Tが威力を発揮していると表現出来る音だと思っております。

 皆様は中音の大型ホーンを用いたかっこの良いシステムを望むと思います。しかし、中音に大型ホーンを配した3チャンネルシステムは厳しい事を申し上げますと基本的に無理なのです。勿論音域的には満足したシステムにはなります。しかし、ホーンの音が勝ってしまい音質的に満足の行くシステムにはなりません。

 要するに上下のユニットとの音の繋がりと云う意味で無理があり決して満足の行くシステムにはなりません。そんな事を追求するよりも写真のようなシステムですと価格的にも決して高い物にはなりません。更に、レベル調整も非常に楽に出来ます。そして最終的には決して最も大切である中音のLE-8Tに不足している低音と高音を補ってやる考え方です。
 薄く写っているのはブラウン管の残像効果です。これを解決するには二つの方法があります。オシロスコープ側でやるには発振の周波数を上げて掃引速度を上げる方法です。すると画面の速度が速くカメラのシャッターが開いている間にく掃引が済んでしまいます。これをカメラ側で行う為にはレンズの絞りを閉めてシャッター速度を遅くします。するとシャッターが開いている間に掃引は終わり画面全体が写り込む事になります。
 上の写真は1kHzの映像です。下の波形の左半分の写りが悪いのです。これはカメラのシャッターの致命傷です。更に現在のオシロスコープは厳密にはシンクロスコープです。左上から画面上に表示(掃引)します。すると当然シャッターとのシンクロ状態に陥り写らない部分が出来てしまいます。
 それではNFBについて考えてみましょう。5534の裸の増幅率は80~100dBとされております。そこで中を取って90dBとしましょう。今回の試作品は増幅率は6dBです。すると実際のフィードバックとしては84dBです。84dBとは実数に戻しますと約16.000倍です。要するに増幅率は1/16.000に絞って使っている事になります。真空管式ではとてもとても考えられない数値です。

 しかし、真空管マニアは 「そんなにフィードバックを掛けたらダメに決まってる !」 と言うでしょうね。しかし、真空管マニアの方々は考えて下さい。性能が良いアンプで良い音の物はいくらでもあります。しかし、性能の悪いアンプで良い音の物はほとんど無いと云う事をです。よって、私はNFB肯定派です。

 要するにNFBとは入力信号を否定する事により本来の波形に近付けた波形を再生させる為の大切な働きを司る役目を果たします。これは目的にもよりますが決して否定などすべき技術ではありません。しかし、実際にはこれが全てではありません。要は目的に依りNFBは使い分ける必要があると云う事になります。この件に付きましてはこの項が終わりましたらもう少し詳しく穿って考えてみましょう。

 例えば今回の試作品も回路自体で0dBアンプとすれば全てフィードバックさせてしまう訳です。それでもリニアーICは安定した性能で動作します。これは素晴らしい事だと私は思います。

 これは実際には正相アンプの場合であって、これを逆相アンプにしますと無限大のNFBが掛けられます。すると出力はゼロとなります。これを利用したのが当方のNFPと云うプリアンプです。実に正確な動作であり、且つ素晴らしい音質で鳴ってくれます。

 さてさて、次はいよいよ音質についてになります。これが私は不得手な項目になります。何せ私は評論家のような表現は出来ません。やろうとも思いません。何せ私はペテン師ではありませんのでね。とは申せそれなりの表現はしなければなりません。しかし、現時点で私はまだこの試作品の音は全く聞いていません。そこでしばらくお時間を頂きたく思います。その間に嘘にはならない範囲での音質評価を準備したいと思います。
 下はピークを迎えた時のメーターです。9.1ボルトを指しております。

 ピーク電圧を多少上回りますと左に示した波形になります。写真は2現象オシロでの映像です。

 見事に上下同時に欠けております。回路が優秀な証拠です。
 右は増幅率0dB(実際の回路としては+6dB 2倍)での入出力特性です。入力1ボルトに対して出力はピタリと1ボルトです。最大出力電圧は予想通り約9ボルトです。この最大出力電圧について少々説明しましょうね。

 リニアーICは通常±15Vで使用します。その時に自己消費電圧と云うものがあります。この電圧はほとんどの物が2ボルト程度です。すると15-2=13でピーク電圧は13ボルトになります。しかし、対象は交流です。この場合にサインカーブを基本に考えざるを得ません。するとサインカーブの場合はピーク電圧に対して有効電圧は70%と考えて間違いありません。すると13×0.7=9.1ボルトとなります。この試作品プリアンプは正に理論通りの結果であると言えます。さてさて、そこでピークを迎えると波形はどうなるのか?
 グラフは10Hzまでですが実際には直流までフラットな筈です。筈ですと申し上げましたのはRCオシレーターは最低10Hzまでしか発振しませんので仕方がありません。

 高域は100kHzで-1.5dBです。周波数特性としては申し分の無い性能を示しております。

 次に入出力特性です。
2018/10/7
 リニアーICはほとんどの物が直流アンプです。更に電気的性能はどれを取っても抜群です。その種類は今や数千種類に及ぶと思います。そこでオーディオメーカーは各社何らかの形でリニアーICを使っているのが実情です。しかし、多くのメーカーは直流アンプは事故があると危険です。そこで各オーディオメーカーは何らかの方法で交流アンプとしているようです。しかし、今回の試作品はあえて危険を知りながら直流アンプとしました。

 本来リニアーICを直流アンプとしてそのまま使うには動作誤差を補正する為にオフセットヌルと云う調整回路を入れます。しかし、今回の試作品はアンプそのものの増幅率は6dBと低いのでオフセットヌル回路は省略しました。その結果出力にはいくらかの直流が発生しております。しかし、実用としては問題にならない程度に収まっておりました。その出力された直流電圧は約20mVでしたので事実上問題にはならないと思います。これが50mV程度に達しますと多くのパワーアンプはプロテクター回路が働くようです。

 そこで試作品プリアンプの周波数特性を示します。
 さてさて、測定はいつものように私の測定システムで行いました。それは40年程度? いやいや中にはそれ以上前の測定器もあります。最も古い測定器は左から三番目のヒューレットパッカードの400Hと云うミリバルですかね。完動品ではありますが実際にはオブジェと化しております。

 これは我が国のミリバルが数千円の時代に3万円程度の品物でした。PCの横にあるのは昔々の松下通信機のRCオシレーターです。勿論真空管式です。その横にあるのはアンリツのシンセサイザー式のオシレーターです。シンセサイザーですので当然クリック式です。発振周波数としては非常に正確です。何せクリック式ですのでね。

 しかし、クリック式は何とも使い辛いのです。よって、ほとんど使っておりません。やはりいつの世にもアナログ式のオシレーターは使い易いのです。よって、昔々の松下の物は絶えず使っています。

 多くのお方はアナログ式は不正確、デジタル式は正確と思っているようです。しかし、実際にはほとんど変わりません。デジタル式は数値で表示しますので正確に見えるだけの話です。以前はデジタル式の精度を現すのに確度と表現しました。しかし、いつの間にかその表示方式は無くなってしまったようです。

 次回は必要と思える性能を確認してご報告致します。
 本機は試作品とは言え出力は3個足せました。理由は改めて言う必要は無いと思いますが、多くのオーディオマニアはシステムを複数個持っております。更にリニアーICは出力インピーダンスは非常に低いので色々な機器を複数個並列に繋いでも全く問題なくドライブするからです。私の場合もシステムは4個持っておりますがパワー段に全て繋いだままです。

 私が普段使っているリニアーICの場合は出力の負荷として400Ωまで全く問題なくドライブします。昔の真空管時代は出力を二つ並列に繋いだら音が半分になってしまったなんて話は当たり前にありました。今となっては懐かしい話ではあります。しかし、そのような経験のある年代のお方は今でもそれが尾を引いているようです。いくら年寄りとは言ってもその辺の意識は新たにして欲しいですね。

 さて、その件ですが、今回の試作品に使ったリニアーICは非常に一般的な5534を使いました。理由は手持ちがあった事もありますが、本来の目的はその性能と音に興味があったからです。

 この5534と云うリニアーICはスタジオや放送局で多様されている物なのです。私の場合は違う目的があって異なった物を以前から使用しております。結果としてその選択は間違っていなかったと確信しております。それを更に確信を深めるだめの目的もありました。
 で、このプリアンプの音は? 皆様は最も興味のある事だと思います。しかし、作る側としますと音は最後の最後の項目なんです。よって、このプリアンプの音は未だ聞いておりません。そこで先ずは機能説明から。

 とは申せ最もシンプルなプリアンプですので説明項目としては簡単です。アッテネーターについてですが、本来はこのアッテネーターは正確にはアッテネーターとは言いません。何故なら入力を単に抵抗で分圧しただけの簡単回路です。+6dBは増幅回路に元々6dB増幅させておりますので入力信号をそのまま増幅回路に入れれば結果として+6dBのプリアンプとなります。

 その入力信号を1/2づつに分圧してあります。よって、-24・-18・-12・-6・0・+6dBの6段階となっております。要するにツマミを一段回せば6dB(2倍・1/2)の変移となります。実数で現しますと1/16~2倍の範囲で6段階となります。

 出力は3回路持たせました。
 プリアンプにしてもパワーアンプにしても、その他諸々の機器にしても設計者の考え方次第で色々な回路が考えられます。更に、その中でどれが正しいなんて物はありません。理屈さえ理論に則っていれば全て正しい物なのです。

 この試作品はリニアーICによるプリアンプの作り方を説明する目的ですので最もシンプルな内容の物としました。要するに

入力切替⇒アッテネーター⇒ボリューム⇒増幅回路⇒出力

 この回路構成は最も一般的な物です。とは申せ本機はアッテネーターを入れている事が特徴と言えば特徴です。

 市販品のほとんどのプリアンプにはアッテネーターは付いておりません。しかし、現在のオーディオシステムの入出力特性は千差万別です。そのような意味でアッテネーターは必需機能だと思っております。
2018/10/6
 先ずは結論から。試作プリアンプが出来上がりました。写真は測定風景です。全体の姿はこの写真でご理解下さい。サイズはW200m/m、H40m/m、D150m/mです。
 私は未だ数十年前に生きておりますのでパネルデザインも手書きです。しかし、この方法は取り付け部品を方眼紙の上に置きながら出来ますので現実的だと思います。と、云う事はこの時点で各部品を揃えておく必要があります。

 これは何も今回のような内容の物だけではなく真空管式アンプの場合は必ず事前に部品を全て揃えて、実物大の図面を描く必要があります。シャーシー上面もシャーシー内部もです。これは転ばぬ先の杖です。

 今回の試作プリアンプのケースは幅200m/mの物です。よって、パネル幅は210m/mにします。現物は既に金属彫刻やさんに持ち込んでしまいましたので写真はありません。私がお願いしている金属彫刻屋さんはほとんどの物を翌日仕上げてくれます。大変に助かっております。

 彫刻業者はいっぱいあります。何故なら産業機器の制御盤に需要がいっぱいあるからです。例えば25φ・30φのコマンドスイッチ用にです。しかし、近年はタッチパネル式の制御盤が増えましたので先細りの仕事になりますね。しかし、タッチパネルはパイロットランプを設けませんと遠隔操作に問題が発生します。するとそのパイロットランプの内容を示す名板が必要になります。よって、先細りの業界とは言え無くならない業種なのではあります。

 しかし、それらはほとんど全てアクリル板なんです。よって、アクリル彫刻屋さんはいっぱいあるのですが、残念ながら金属彫刻屋さんは非常に少ないのです。私の場合は幸いにも近所に金属彫刻をやってくれる業者さんがおります。忙しい時は毎日のようにお伺いしております。

 オーディオアンプのフロントパネルで彫刻と言うのはほとんど無いと思います。多くの物がシルク印刷か又はエッチングです。エッチングは剥げませんがシルク印刷はいずれ剥げてしまいます。しかし、彫刻は絶対に消えません。では、何故高価な彫刻にしているのか?

 台数が出ないからに過ぎません。何たってシルク印刷にすれば初期費用が大変な金額になってしまいます。更に、エッチングにすれば尚更初期費用は大変です。彫刻の場合は一文字々々々高くはなります。しかし、その都度変更が可能です。よって、時々お願いされる特殊仕様にも対応出来るのです。その代わりその都度その都度私は上のような図面を描く必要に迫られます。それも楽しみの一つではありますがね。

 フロントパネルが出来上がってくればいよいよ本格的な製作作業に入ります。私も楽しみではあります。しかし、考えてみると今回の試作品は極々当たり前の内容のプリアンプです。私としては始めての当たり前プリアンプなのです。何せ私の場合は作るもの一つ一つ全てそれなりのコンセプトを持って設計製作しております。今回のような当たり前のプリアンプは初めてです。

 そこで 「せっかく手間暇掛けて作るのだから・・・・」 と、考えますと 「製品化してやろうかな」 なんてね。一度基本的な物を作ってしまえば次は楽です。さて、どうしましょ!

 次回に続きます。
2018/9/29
 今回は試作プリアンプの続きです。

 右は基板の裏パターンです。表パターンから写し取った図面は下の図面です。本来はこの裏パターンから基板を作り出します。それはいずれご紹介する事になろうかと思います。

 今回は試作ですので既製の穴開き基板ですので作業は少々面倒ですが仕方がありません。

 この段階に至りますといよいよフロントパネルのデザインを行います。それが下です。
2018/9/27
 基盤は当然裏返しのパターンになります。その作り方はPCにそのようなソフトがあれば簡単です。しかし、私の場合はそのようなソフトは持っておりません。そこでガラス窓に表パターンを裏返しに貼り付けて裏パターンをトレースする方法で行っております。要するに非常に原始的な方法です。しかし、実際にはこの時間に色々と考え事をしますので良い時間と言えば良い時間なのではあります。

 しかし、この数日太陽が出てませんので裏パターンが出来ないでおります。そこで今回はオーディオ機器について色々と考えてみたいと思います。先ずはパワーアンプから。

 私はパワーアンプを作るのは余り好みません。理由はパワーアンプは単に電圧電力の変換機でしかないからです。しかし、人によってはスピーカーを直接駆動する機器ですので音に大きく影響を与えると考えているお方が多いようです。しかし、実際には極端に異なる内容の物以外であれば音質には大きく影響は与えません。私の言う事が間違っていると思ったらお試し下さい。但し、その時に方や300Bシングルアンプ、方や数百ワットのPA用パワーアンプなんて比較は反則ですので念の為。

 皆様はオーディオ機器は余りにも高過ぎると思いませんか? 数十万円は当たり前。中には数百万円なんて物まであります。それに比べてクルマは安いと思いませんか? 何か変ですよね。私はクルマの場合は原価は恐らく1/3程度ではないかと思っております。例えば600万円の物であれば製造原価は200万円。そこには製造に必要な加工機器の償却費も含めれば何となく納得出来ると私は思っております。

 しかし、オーディオ機器の場合に100万円の機器が原価33万円なんて言われても私は納得出来ません。例えばフロントパネルの値段で考えてみましょう。私は元々は機械やですのでおおよその製造価格は判ります。たかが数十センチ四方のパネルをいくら豪華に作っても数万円がいいとこです。それ以外に高い物と言えばパワートランスですかね? その他パワートランジスターなんて物はたかが知れてます。更に加工の為の人件費は人ひとり一日の工賃はせいぜい数万円です。

 そのように考えますと余りにも高いと思わざるを得ません。では、何故あれ程までに高いのか? 恐らく我々が考える程売れてないからだと思います。更に、オーディオマニアの 「高い物は良い物だ !」のオーディオマニアの心をくすぐった結果の値段のだと思います。更にこれは禁句ではありますが・・・。これは余り大きな声では言えませんが特定のお方の懐に転げ込んでいるのでしょうね。

 次はプリアンプについて考えてみましょう。

 私はオーディオ機器の最終的に音に影響を与えるスピーカーだと思っております。スピーカーによって音質の70~80%は決まってしまうと考えております。その次がプリアンプで、プリアンプで音質の10~15%は決まってしまうと考えております。残りがパワーアンプの音質です。やはりプリアンプはスピーカーの次に大切な物だと考えております。

 そこで各メーカーのプリアンプに対するコンセプトです。現在のほとんどのメーカーの物がボリュームで音声信号を受け、その後ろに増幅回路を設けた構造です。果たしてそこにコンセプトがあるのか? 私はあるとは思えません。あるとすればフロントパネルのデザインですかね。それよりも色々な機能を持たせた方がユーザーとしては嬉しいのでは? と、思っております。何せソフトの音が千差万別ですので聞く側で音質を調整出来る事は大切な事ではないかと考えております。

 次は当然スピーカーについてです。

 これは過去何回も申し上げておりますが、近年のスピーカーシステムは余りにも演出過剰です。しかし、これには原因があります。それはAVにあります。近年の大型ディスプレイを中央に置いたらスピーカーのスペースは当然絞られてしまいます。するとトールボーイスタイルにするしか方法はありません。ユーザーがAV主体であればそれで良いと思います。しかし、ピュアオーディオと称してトールボーイスタイルの物を使っている事はおかしいです。ではトールボーイスタイルの音質は?

 この件に関しては何度も申し上げておりますので多くのお方は私の言いたい事はお解かりになっていると思います。トールボーイスタイルの物は当然ウーハーのサイズは限定されてしまいます。そこで小型のウーハーをダブルで使います。すると量感は出ます。しかし、それは単なる量感であってウーハーは何個並べても再生音域は変わりません。例えば16cmユニットは所詮は16cmユニットであると云う事です。何せfoはそのままですのでね。

 更にウーハーを小型にした事でメーカーは低音が出ない事は知っております。そこでメーカーはウーハーのコーン紙を重くします。理由はコーン紙を重くした分オーバーシュートが増えて聞こえ方としては量感を感じるようになります。しかし、その結果として音質は生音とは掛離れたとになって行きます。それが近年のスピーカーメーカーのシステムの作り方になっております。

 世の中は生き残れるメーカー、生き残れないメーカーは当然いつの世にもあると思います。私は少なくともオーディオと云う非常にマニアックな世界に居るのであれば自らのコンセプトを大切にして生き残れる規模で営業を続ければそれで良いのではないかと思っております。何も背伸びなどしないで自分の背丈で生き延びればそれで私は幸せなのでは? と、そのように考えております。要するに私の好きなニーチェ哲学の世界です。

 ニーチェ哲学は私は大好きです。しかし、ニーチェ哲学は大変に誤解されて伝わっているのが残念です。ニーチェは決して無能な者は不要だなんて事は言っておりません。ニーチェは人は自分の能力を知り、自分の能力内で活きなさいと言っています。それがニーチェ哲学の基本的な考え方だと私は解釈しております。

 今回は思うがままに聞く連ねました。実際にはもっともっと書き連ねたいのですが余りしつこくなりますと嫌がられますからね。この辺で止めておきます。興味のあるお方は一杯やりながらお話しましょうね。
 今回の試作品の増幅率は -24~+6dB までの6dBステップの6段階です。

dB    増幅率   抵抗値   実質増幅率
+6     2       0        1
0     1       51k      1/2
-6    1/2     150k      1/4
-12   1/4      350k      1/8
-18   1/8      750k      1/16
-24   1/16     1.5M      1/32

 となります。1番は0Ωですので変だと思う場合は、増幅回路自体が+6dBですので実際には2倍の増幅となります。

 多くのお方が?????・・・・・だと思います。しかし、これが弱電回路なのです。それには当然如く設計当初から色々と考慮を重ねる必要があります。そこで絶えず考えている必要があります。よって、私の場合は運転中はラジオを聞かないのです。ラジオを聞いておりますと考えが及びませんからね。

 しかし、一般的なプリアンプの場合はまだまだ簡単です。これがエフェクターとなると大変な考慮が必要となります。しかし、エフェクターの場合は単に机上計算だけとは行きません。机上計算した後に実験が伴います。例えば超低高域ブースター となりますと先ずは自分のシステムで試す必要があります。しかし、当然一種類だけのシステムでは偏った答えとなってしまいます。そこで私の場合はスピーカーシステムを四つ持っているのです。その結果最大公約数的な答えが見えて来ます。その結果の現在の各エフェクターなのだとお考え下さい。

 私の場合はウーハーは最低でも16cmを必要とするような設計としています。但し、16cmウーハーの場合は近年の演出過剰のスピーカーシステムは論外と考えています。何せ近年の小型スピーカーシステムは余りにも演出過剰です。あれらは超重量級小型ウーハーを小型のバスレフボックスに入れて70Hz近辺に大きなピークを作るのです。すると何故か聞こえ方として低音が出ているように聞こえるのです。すると多くのお方はそれで満足してしまうのです。あれは絶対に間違いです。よって、私の場合はそれらの物は論外として相手にしないようにしております。

 私のスヒーカーシステムに対しての考え方は先ずはスピーカーは自由空間に置く事です。可能であれば大きな平面型に最も可能性があります。それが出来ない居住空間の場合は一般的なサイズのエンクロージャーの裏蓋を取り除いて後面開放型にする事でスピーカーに背圧を掛からなく状態にすればほぼ満足出来る状態になります。そうする事により電気的にコントロール可能になります。

 しかし、この場合はユニットその物が優秀である必要があります。少なくともウーハーとミッドロー、更に当然の如くミッドのユニットは優秀な物でありませんと音楽全体の雰囲気が損なわれてしまいます。そのように考えて見ますと昔から優秀と言われているユニットは時を経ても優秀なようです。

 しかし、オーディオマニアは何故か妙な物が好きなのです。その結果チグハグな音質になってしまっているのです。しかし、そのようなチグハグな音でも常時聞いておりますとそのチグハグな音が当たり前になってしまいます。

 私は普通の音のシステムを一つ用意して、更に自分自身で興味を持ったユニットなりシステムを用意すべきと思います。それが本道を見失わない唯一絶対の策だと思います。

 次回は試作プリアンプの実際の作り方に移ります。
 
 

 となります。少々厳しい事を申し上げますが解らないと云うお方は高校時代の数ⅡBの教科書をもう一度ご覧になって下さい。

 ここで1~6までの各定数について説明致します。
 回路としては左に示します。但し、電源は省略してあります。

 基本的な増幅率はフィードバック用の51kΩと同じく51kΩで決まります。

 この場合は

 A=(51+51)/51 ですので増幅率は2二倍(6dB)です。ここでデシベル計算の計算式です。
2018/9/25      お詫び
 久々の更新です。

 実は先日より体調を崩しまして更新が滞っておりました。何ともやる気が起きないのです。医者によると更年期障害ではないか? との事でした。私の場合はそれ以外にも色々と問題があり、普段の生活を少々考え直す必要がありそうです。何せ毎年の健康診断では毎回大変な注意を受けております。

 先ずは若い時からの事なのでありますが血圧に問題があります。何せ高校生時代から上は140もありました。しかし、先日から降圧剤を処方して何と高校生時代の血圧に戻りました。化成薬と漢方薬を併用する事で相乗効果があったようです。漢方薬は当帰芍薬散23番(トウキシャクヤクサン)です。後は肝臓に問題があります。これはお酒を控えれば何とかなるのでは? と、思っております。

 さてさて、試作プリアンプの各定数です。
 更に今回は最大ゲインを+6dBにする事に致します。理由はレコード再生にも使えるプリアンプにする為です。

 近年のプリアンプは0dBの物が多いようです。理由はCDがメインだからです。しかし、近年は何故か回顧主義なのか?レコードを聞くお方も多いようです。すると0dBですとシステムによってはパワーアンプへの入力電圧不足になってしまう物が出てしまいます。そこで少々増幅率は足らないかも知れませんが+6dBの増幅率を持たせる事に致しました。

 +6dBとは正確には1.995倍です。よって、一般的には2倍として通用しています。このデシベル計算に関してはいずれ説明します。実は少々厄介な計算なのです。私の場合は昔々のポケットコンピューターに自作のソフトを作った物でワンタッチで計算出来るようにしております。

 この自作ソフトは私がまだまだ若かくて結婚した当時にベーシックで作ったソフトなんです。すると40年近く前の物となります。他にも色々とソフトは作ったのですが現在実働しているソフトはこれ一つだけになってしまいました。しかし、自作ですので余計な内容は全く入っておりませんので便利に使っております。

 このソフトには一緒に パワー計算・カップリングコンデンサー計算・パスコン計算と入っております。それにしても約40年もの寿命を保っておりますので立派だと思っております。

 次回は設計回路に実際の抵抗値を計算する事に致します。
2018/9/7
 さてさて、久々に本道に戻ります。

 私は通常は右に示す実物大で方眼紙に描きます。IN は入力セレクターの COM 端子から入力します。今回は6接点のロータリースイッチを使い6dBステップのゲイン調整回路にします。

 このような回路にしますと実際はゲイン調整により入力インピーダンスが変わってしまいます。しかし、それは音量調整用のボリュームの値が最低インピーダンスになりますので実際には問題にはなりません。

 そこで音量調整のボリュームには50kΩを使う事に致します。
 もう一つの課題はパワードプリアンプを作る事なんです。これは時としてプリアンプ、時としてパワーアンプとして使えるアンプです。予備実験は既に済んでおります。とは申せ最終的な予備実験はまだですので少々時間が必要かも知れません。

 さて、今度限りは音質の傾向が解りません。回路としては普通のプリアンプの回路ではあります。しかし、素子はパワーアンプ用の素子です。どのような傾向の音になるのか?

 楽しみな新製品です。
 このシステムの目的は 「優しい音の5チャンネルシステム」 なんです。パワーアンプを何台か作る必要はありますがそれは大した手間ではありません。

 このシステムは恐らく私の最後のシステムになる可能性があります。とは申せ簡単なシステムは更にあり得ますがね。
 ウーハーは型番不明、メーカー不明の38cmウーハーです。恐らく50~60年前のアメリカ製ジュークボックス用です。この手のウーハーは実に軽快な低音を再生します。何物にも変え難い逸品なんです。Mr、T・Nに感謝なのであります。

 ミッドローは現在3チャンネルシステムでウーハーとして使っている30cmユニットです。ミッドは前述の通りです。ミッドハイはこれまた候補は二つあります。両方ともコーン型トゥーイーターなんです。

 ハイは2405です。やはり2405は優秀です。

 チャンネルディバイダーは写真の自在型5チャンネルディバイダーです。
2018/9/5
 久々の更新です。いやいや、今年の夏は参りました。

 私は毎年夏は自分に自由研究を課して今までは何とかこなして新製品を多く排出して来ました。しかし、今年は風邪をひいた事もあり、更にハッキリとは判りませんが軽い熱中症にやられたようです。約二週間何も出来ずに毎日ブラブラしておりました。その後ようやくやる気を取り戻してご注文頂いていた品物をお納め出来ました。

 今年の夏の自由研究は先ずはオールコーンユニットによる5チャンネルシステムを作る事でした。とは申せトゥーイーターはコーン型ユニットでは無理ですのでホーン型になりますがね。予定していた作り方は現在の3チャンネルシステムを廃棄して新たに一枚のボードに各ユニットを取り付けて天井からぶら下げる事でした。しかし、残念でしたがこの夏場は諦めました。とは申せやります。何せユニットは全て用意してありますのでね。

 この新システムのミッドに迷っております。それはダイアトーンの改造型を使うか? あるいはLE8Tを使うか? なんです。あるいは両者使える変則システムにするか? なんです。

 細かな事は申しません。何せ型番名のユニットもあります。
 
2018/8/14
 久々の更新です。何せ世間はお盆休みで皆様お楽しみでしょうけど、私の場合は日々お仕事なんです。とは申せ仕事が出来ると云う事は素晴らしい事だとは思っております。

 さてさて、プリアンプです。本来プリアンプとは昔はフォノ回路搭載の物を呼びました。しかし、現在はレコードファンは多いとは言えやはり多いのはCDが主体のオーディオファンだと思います。そこで一時期CDを主体にしたプリアンプをラインアンプと呼んだ時代がありました。

 しかし、プリとは “前の・・・” と云う意味です。要するに一般のオーディオシステムにしろ、私のようなマルチチャンネルシステムにしても前段のアンプですのでプリアンプと呼んで良いのではと思っております。

 プリアンプにしろ何にしろ物を作る意味で最も大切な事はコンセプトです。例えばスピーカーにしても私はともかく見通しの良い爽やかで清々しい音を求めてのスピーカーシステム作りです。私にとって最も理解に苦しむのがカラオケの音です。何せブカブカでボワボワの低音。エコー掛けまくりの乗り物酔いのような声。だから私はクラス会も行かないのです。何せ一次会が終わると決まってカラオケなんです。すると結果として “稲田、アイツは付き合いが悪い” と非難されます。棲み辛い世の中ですね !

 さてさて、今回のプリアンプのコンセプトです。それは “極々当たり前” です。

 私はプリアンプを設計する時に決まって清々しい音を目指しております。そこでオーディオマニアはボリュームによって音が変わると言います。私もそのように思っております。そこで色々な方式のボリュームの使い方になるのです。過去私が作ったプリアンプで最も清々しい音のプリアンプは差動回路の差動動作を利用した音声打消し方回路によるプリアンプだと思っております。しかし、欠点もあります。それは完全な打消しにはならずボリュームを絞り切ってもゼロにはならない事です。とは申せ音を出さないオーディオはありませんので実質的には何ら問題にはなりません。

 今回の試作(?)プリアンプは極々一般的にボリュームで音声信号を受けて増幅回路に入れる方法にします。但し、それだけでは面白くありません。そこで入力回路に分圧式のアッテネーターを入れてゲインコントローラーを入れる事に致します。5段式にすれば多くの場合にバランスするかと考えております。但し、6dBステップにするか? 10dBステップにするか? は未定です。

 何時ごろ出来るかは未定です。まァ そんなに時間は掛かりませんので乞うご期待と云うことで !

 次回に続きます。
(dB)
 ユニバーサル基板は色々と種類がありますが、上に示した物は最も一般的で価格も最も安くお得ですので私としては皆様にお勧めです。

 先ずは方眼紙に原寸で回路図を描く事から始めます。それが出来上がりましたら裏パターンを描きます。これをやらないと失敗します。必ず失敗します。面倒だと思っても必ずやるべき事はやるべです。

 次回はそこからの作業です。
 ユニバーサル基板は完成基板とは言え半田は乗り辛いクセがあります。その場合は右に示したフラックスを塗っておくと作業が早いのでお勧めします。

 尚、近年はヤニ入り半田が当たり前になりペーストを使わない人が多いようです。しかし、半田は酸化してしまいますと厄介な状態になります。その場合はペーストをほんの少し塗る事により元に戻ります。是非ともペーストを用意しておく事をお勧めします。
倍率
 オーディオ機器の増幅作用に関しては(電圧電流)を使います。理由は電圧電流に対してはベル博士は特例としてデシを1/10⇒1/20としたせいです。ここでワンポイントアドバイスです。それはマルチチャンネルシステムのクロス点についてです。

 チャンネルディバイダーのクロス点は-3dBです。それはスピーカーの音圧の場合は電力ですので電力利得のグラフを使います。すると電力ですと-3dBが1/2です。すると低域側と高域側で1/2+1/2=1となります。よって、電圧での正しい値は-3dBとなります。

 但し、これは低域側のユニットの特性も高域側のユニットの特性もフラットである事が前提です。しかし、世の中にはそのようなユニットはありません。結果として色々と試してみなければいけないと云う事になります。すると当方の自在型のチャンネルディバイダーが最も有利であると云う事になるのです。勿論これは手前味噌ですので悪しからず !

 さてさて、基板の作り方です。今回は教材の積りですので穴開きのユニバーサル基板を使う事にします。
2018/8/4
 お約束のデシベル早見表です。
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 ここで先ずはどのような内容のプリアンプを作るか? です。

 現在は実際は0dB(1倍)で充分なのですがそれでは勉強になりませんので+6dB(約2倍)の物を設計しようかと思います。

 この場合増幅率は A=(R2+R3)/R2 です。

 そこで R2 を10kΩとしましょう。すると R3 は同じく 10kΩ となります。要するに (10kΩ+10kΩ)/10kΩ です。すると20kΩ/10kオームで増幅率は2倍となります。では R3 は?

 R3 は前段(多くの場合にCDプレーヤー)です。しかし、中には真空管式のフォノイコライザーの場合もあります。その前段の負荷抵抗が R3 ですのである程度考慮する必要があります。

 この場合に100kΩ程度にしておけば問題は無いと思います。もし、トランジスター式のフォノイコライザーを繋ぐ場合は10kΩ程度で問題はありません。

 本来はここでデシベル計算についてになるのですが、デシベル計算は少々面倒なのです。高校生時代に数2Bを採ったお方の場合は対数計算を勉強した筈です。しかし、数2Aを採った文科系のお方は対数計算は勉強していない筈です。

 自然現象の場合は自然対数に比例した結果となり2.54を底とする自然対数計算です。しかし、電気の場合は自然現象ではありませんので10を底とする常用対数計算で行います。しかし、いずれにせよ電卓にはそのような機能を持った物はありません。そこで身近な物であれば計算尺を使います。しかし、この計算には LL尺 を使います。この場合に LL尺 の付いた大きな計算尺を現在持っているお方は非常に限られたお方のみだと思います。

 そこでこのページでは簡単に理解して頂く為にグラフ化した物をご紹介しますので次回はそのグラフをご紹介します。
 図はシングルディップの物です。

 ピンの順番は左下から反時計回りで 1~8番 になります。それを記したマークが必ず左側にあります。このマークはメーカーにより異なります。

 一般的なリニアーICはピンのピッチは1/10インチ(約2.54m/m)です。これが歳を重ねますと辛いのです。私は欲張りですので近視・老眼・乱視の三段攻めなんです。とてもとても裸眼では見えません。

 そこで私はハズキルーペともう一つ脱着簡単なルーペと二段構えで攻めています。

 私の場合は素基板を使って基板を作りますが皆様が作る時には1/10インチピッチの穴開き基盤を使う事をお勧めします。
2018/7/31
 ページが代わりましたので先日の回路図とそれを実態図にした図を示します。

余談ですが   No.12